薬剤師

薬剤の取扱い、薬事業務を司る専門職であり、化学者でもある。一般に薬剤師として「英 Pharmacist」という名称は米国等で用いられ、英国を初めとする英連邦諸国では伝統的に薬剤師は「英 Chemist」と称される。

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薬剤師

薬剤師の不足からうまくいかず、医師の自己調剤を認めざるを得なくなった。これにより日本では医師より薬剤を交付されることが当然のこととなり、国民は他の先進国では当たり前の医薬分業の意義を知らずにきた。院内処方を受けた方が利便性が高い上、自己負担が低いために過剰に薬剤を処方されても薬剤料に対する負担感が希薄で、一般用医薬品を購入するより安く済むことすらあることも医薬分業が浸透しなかった一因である。

しかし現在の健康保険制度のもとでは高齢化社会の到来により国民全体の医療費増大が懸念されるため、薬剤の過剰な処方を防ぐためにも処方せん料の増額、かかりつけ薬局制度の推進などで金銭面から医薬分業への誘導が進められ、医薬分業率はついに50%を超えた[1]。 さらには医療費全体を抑制するため、後発医薬品・スイッチOTCの普及が推進され、医薬品適正使用に関する専門知識が求められる場面が増えている。

また、医療技術の高度化に伴い薬学的側面から処方の提案や監査が必要となり、病棟で医師、看護師と一緒に医療チームとして働く病棟薬剤師が配属されるようになり、入院患者に対する指導料も大幅に増額となった。こうした変化に対応するため、他の先進国並の薬学部6年制が導入され、専門薬剤師制度の充実も進んでいる。

医療チームの一員として病棟薬剤師の役割が高まっているが、一方で国の医療費抑制の方針により病院経営上経費削減が重要課題となり、病院数も漸減傾向にあることから、病院等に勤務する薬剤師の数が大きく伸びることは今後殆ど期待できない。厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査でも病院・診療所に勤務する薬剤師数は1998年から2006年まで約48000〜49000人で推移しており人数増加は認められない。

また、医薬分業の進展によりドラッグストア等での薬剤師配置需要が増えているが、2009年の登録販売者制度の導入により第二類および第三類一般用医薬品を販売するには登録販売者がいれば薬剤師の常駐が不要となり、医薬分業率は70〜80%で頭打ちになると見られること等から薬剤師の需要は頭打ちになると予想される。

もともと、人口1000人あたりの薬剤師数は1.21と、先進国中では最も高く[2]、厚生労働省の薬剤師問題検討会が2002年にとりまとめた報告書「薬剤師需給の予測について」によれば、早ければ2006年にも需要は頭打ちとなり、2037年には薬剤師は36万人となるが、需要は23万人として13万人もの余剰が出ると予測される。

しかしながら2003年就実大学と九州保健福祉大学が約20年ぶりに薬学部を開設、その後も少子化・大学全入時代の影響から多くの私立大学が学生数を確保するため薬学部を新設するケースが相次ぎ、2007年までに26大学・学部が新設された。その結果、2007年の薬学部の入学定員は13274人(71大学72学部:6年制12010人、4年制1264人)となり、過去5年間で5000人以上増加[3]した。

今後薬剤師の余剰人員が増加することが予測されるにもかかわらず、薬学部の新設がその後も続いている。現在の制度では文部科学省が養成機関数をコントロールすることは困難なため、基準に達した申請は認可せざるを得ないのが現状である。厚生労働省では新たに「薬剤師需給の将来動向に関する検討会」[4]を組織しているが、こうした現状に多くの関係者から強い懸念が表明されている。

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